研究概要

哺乳類の化石を研究しています.
国内・国外の化石産地で発掘してきた化石の系統分類が専門です.
最近は,ネズミやウシなどの進化史を調べています.

略歴・研究業績
(researchmap)

洞窟調査 ミャンマーでの化石発掘 ウシの頭骨化石


これまでの主な研究テーマ
 ・ アジアの新第三紀哺乳類化石の研究
 ・ アジアの第四紀哺乳類化石の研究
 ・ 博物館学の研究

その他,雑記はコチラ

四国で絶滅したハタネズミの発見!

 ハタネズミ(畑鼠)(Microtus montebelli).
 普段あまり見かけることはありませんが,その名の通り,田畑などに生息する齧歯類です.このハタネズミですが,本州と九州に分布しているのに,なぜか四国にだけ分布していません...

図6
ハタネズミとその地理分布(IUCN Red List Dataより)

 簡単に,日本の哺乳類相の背景を説明します.更新世(260~1万年前)は,いわゆる‘氷河期’として知られる時代で,気候変化に伴って海水準が大きく変動していました.現在,日本列島に生息する哺乳類の多くは,この更新世の間に大陸から渡来してきた種を起源としていますが,当時の本州,四国,九州も陸橋によってつながっており,哺乳類はこれらを介して分散したと考えられています.しかし,現在の日本の哺乳類の中にはハタネズミのように,本州と九州に生息するものの,四国にだけ分布していない種が確認されています.その原因を探るべく,これまでも生態的な調査や化石発掘調査が行われてきましたが,未だ明らかにされていません.

 四国のハタネズミの化石は,近年調査した高知県の石灰岩洞窟,猿田洞の第四紀堆積物から初めて発見されました.なかには絶滅したシカ類も含まれており,標本数にして3000点を超える哺乳類の化石が得られています.見つかった化石群集の中には,本州・九州に生息するハタネズミのほか,後期更新世までに消滅したとされるニホンムカシハタネズミ(M. epiratticepoides)や,大陸種と近縁なブランティオイデスハタネズミ(M. cf. brandtioides)も見つかり,これら3種のハタネズミ属が当時は本州,九州同様,四国にも分布していたことが明らかになりました.ハタネズミ類がなぜ四国で絶滅したのか?非常に興味深い問題であり,その原因を究明するためにも継続的な調査と分析を進めています.

猿田洞調査
化石が見つかった猿田洞

(※日高村教育委員会の許可を受け調査をしています.一般の方も許可を受ければ入洞できますが,
化石産出地へのアクセスは大変危険を伴いますので,ご遠慮ください.)


【引用】
 西岡佑一郎,河村善也 (2012) 四国の更新世ハタネズミ属化石―四国でのハタネズミ属の絶滅シナリオと今後の研究展望―.2012年度日本哺乳類学会,相模原
 川瀬基弘,早瀬善正,安藤佑介,西岡佑一郎 (2012) 高知県猿田洞より産出したアツブタムシオイガイ属化石種サルダアツブタムシオイガイ(新称)を含む化石陸産貝類相.Molluscan Diversity 3(2):83–91






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プロフィール

Y. Nishioka

Author:Y. Nishioka

本名:西岡佑一郎
所属:早稲田大学高等研究所
現職:助教
専門:哺乳類の化石(古生物学・形態学・哺乳動物学)
学位:理学博士(京都大学)
Email:nishioka (AT) aoni.waseda.jp
SNS:Facebook(本名)
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twitter(Yui_Q_NISHIOKA)
みんカラ(タイ人しぇふの旦那)

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